18世紀にタイムトリップ – アーミッシュの町へ(ペンシルバニア州ランカスター)
ニューヨークに住んでいて、複雑な気持ちになるのはホリデーシーズン。
この時期のニューヨークは最高!マンハッタンはキラキラのイルミネーションで溢れ、専門店のホットチョコレートを飲みながら歩く街は映画のよう。
でもせっかくの休みはどこか違うところにも行きたい。
そこで今年はホリデー感を求めず、日常と正反対のところへ行こうと決めて、ペンシルバニア州ランカスターのアーミッシュカントリーに行ってきました。
18世紀にタイムトリップ – 電気も車も使わないアーミッシュコミュニティの人々
ドイツ系移民であるアーミッシュは、キリスト教徒のコミュニティで、その信仰を貫き、18世紀の移住当時の生活スタイルを続けています。
彼らは、電気を使わず、車は馬車。そんな昔ながらの生活を垣間見ることのできる独特のエリアです。服装ももちろん昔のままで、まるでヨーロッパの古い絵本を見ているようです。
牧場の至る所で見られる、飼料を貯蔵するサイロ。最近は技術の進歩により別の貯蔵方法を利用する牧場が多いそうですが、ここでは古くから使われるサイロが高くそびえています。年季が入っている!
基本的にすべて自給自足。コミュニティのメンバーで建てる住宅も、ユニークな様式のものが目を弾きます。お家の外には大量の洗濯物がきちんと干されていて「これ、手洗いして干して畳むまで、何時間の労働だろう?」と、すぐに時間と労働量を考えてしまう一般人の自分。
絶品プレッツェル!
ランカスターには夏にも訪れたことがあって、今回も楽しみにしていたのは、自家製プレッツェル。
さすがドイツ系移民ということで、ドイツ発祥のプレッツェルがアメリカで最初に作られたのはここランカスターだそうです。
有名なのは、1861年創業のJulius Sturgis Pretzel Bakery。
アメリカで初めてプレッツェルブレッドを販売したお店です。プレッツェル作りを自分で体験できるツアーもあり、今回私は参加できなかったのですが、次回はぜひやってみたいと思ってます。
プレッツェルはお店によってハードなものやソフトなもの、塩の強いものや甘味が全面に出ているものなど、いろんな個性があるのも面白いところ。
ちなみに私が食べた中で一番美味しいと思ったのは、Countryside Roadstand(2966 Stumptown Rd)。柔らかくて甘みのあるタイプのプレッツェルで、ハニーマスタードソースをつけて食べます。
ウェブサイトも何もないお店ですが、店内には焼き菓子やジャムが並び、プレッツェルの販売コーナーからはワンピースに白いエプロンをかけたアーミッシュの女の子たちがせっせとプレッツェルの生地を捏ねているのが見えました。
これらすべてが、テーマパークの作り物ではなく、本物の生活だということにちょっと感動。
夏に行ったときに立ち寄った、こちらも品揃えの良いベーカリー、Bird in Hand Baked Shop でもお店の外でプレッツェルを売っていて、とても美味しかったのですが、今回は冬ということで、プレッツェルは販売していませんでした。
その代わり、名物だと言われるShoo-fly Pie(シューフライパイ)を買ってみました。
“Voted No.1 for 10 years in a row. “(10年続けて人気No.1)と書いてあったので、それは買わないと!
モラセスという糖蜜がぎっしりパイに詰まっていて、あまり他の地域では売られていないパイだということはよくわかりました。でも、さすがに甘すぎて、私はもういいかな〜。。
期限付きの青春 – ラムスプリンガ(映画もある)
電気や車のない一見不便な生活。若い子ならファッションや遊びも楽しみたいだろうに。
閉鎖的なコミュニティで、教育も限定されていて(学業は14歳まで)、外の世界のことを何も学べないなんて。と余計な心配をしてしまいますが、そこにはちゃんと救済策(?)があるようで、それがラムスプリンガ。ドイツ語で「自由に走り回る」と言った意味だそうです。
アーミッシュの若者たちは、思春期になると1年など、ある一定期間だけ外の世界に飛び出して、何の制約もなく自由に生活することができるそうです。
お酒、ドラッグ、メディア、恋、ゲーム、スマホなどなど‥今までは考えらなかったような体験をして、その期間終了後にアーミッシュのコミュニティに戻るのか、または自由な外の世界に行くのかを自分で決めるそうです。
そりゃ若い子なら自由を求めるでしょう!と思いきや、ほとんどの若者はアーミッシュのコミュニティに戻ることを決意するとのこと。
家族の絆や価値観というものを改めて考えさせられます。
彼らの青春を面白おかしく、可愛く、時にはジーンとさせられるストーリーにした映画「ラムスプリンガ〜僕の未来を探す旅」では、アーミッシュの男の子がラムスプリンガの期間中をベルリンで過ごし、未知の世界に身を投じながら自分を見つけていく様子が描かれています。」
今回は冬だったので、できるアクティビティも限られていて、お店も閉まっているところが多かったので、やはり次は夏だなと思いましたが、何もすることがないっていい事だなと感じました。
今度はファームハウスに滞在して、馬車に乗せてもらってアーミッシュの人の話を聞いたり(そういうガイドつきのサービスもあったりします)、農場の動物と戯れたりして数日過ごしてみたいと思います。
夕日を背にニューヨークへ、3時間半の家路。
今回の反省:のんびりしすぎて、ほとんど写真を撮っていない!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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